2023年3月に開催されるWBCの日本代表に、メジャーリーグ『カージナルス』所属のヌートバー選手が選ばれ話題になっています。
日本のプロ野球チームに所属した経験もないヌートバー選手が、なぜ日本代表に選ばれたのでしょうか?
今回は、ラーズ・ヌートバーがWBC日本代表に選ばれた理由や、国籍、日本語は話せるかなどについて調べてみました。
ヌートバーはなぜ日本代表なのかわかりやすく解説!

ラーズ・ヌートバー選手は、現在メジャーリーグ『カージナルス』でプレーしていますが、生まれも育ちもアメリカで、これまでに日本でのプレー経験はありません。
しかし、2023年のWBC日本代表に選ばれたのはなぜでしょうか?
先に結論から申し上げます!
詳しく解説していきますね!
WBCの出場資格

WBCの出場資格は下記のように定められています。
- 選手本人が代表チームの国籍を持っている
- 選手本人が代表チームの市民権や永住権を持っている
- 選手本人が代表チームの国や地域で出生している
- 選手の親のどちらかが代表チームの国籍を持っている
- 選手の親のどちらかが代表チームの国や地域で出生している
※参考:WBC 日系選手で初の日本代表 ヌートバーの両親【一問一答】|NHKスポーツ (2023.1.26)https://www3.nhk.or.jp/sports/news/k10013962111000/
WBC ガイド – 野球 : nikkansports.com (2023.2.1現在)https://www.nikkansports.com/baseball/wbc/2013/guide.html
ヌートバー選手は出場資格の⑤に当てはまるため、WBC日本代表になれるわけです。
WBCの出場資格は、他のスポーツと比べてあまり厳密には定められていません。
選手本人に限らず、親に該当国のルーツがあれば代表選手の資格が得られます。

WBCの出場資格が緩いのは、メジャーリーグなどで活躍する選手が様々な国の代表になることで、より多くの国や地域にWBCを拡大させ盛り上げたいという狙いがあるといわれています。
「初めから米大リーグは、各国にルーツを持つメジャーリーガーを代表に選出してほしかった。それによって各国で応援する人が増え、野球人気が広がることを期待している。実はWBC始まって以来の裏テーマだ」
東京新聞 TOKYO Web
つまり、選手たちが様々な国の代表に選ばれる可能性を少しでも広げているということですね!
ヌートバーは母が日本人だから出場できる

WBCの出場資格より、ヌートバー選手は「選手の親のどちらかが代表チームの国や地域で出生している」に当てはまるため、日本代表になれることが分かりました。
ここでヌートバー選手のご両親の出身を見てみましょう。
- 父:チャーリーさん オランダ系アメリカ人
- 母:久美子さん 日本人(埼玉県東松山市出身)

ヌートバー選手のお母様は埼玉県出身の日本人です。
ヌートバー選手の祖父母は現在も埼玉県に住んでいるということで、しっかりと日本にルーツがありました。
したがって、ヌートバー選手自身は日系ですが、お母様が日本にルーツがあるためWBC日本代表になれるのです。
ちなみに、ヌートバー選手のご両親は久美子さんがアメリカ留学した際にチャーリーさんと出会い、その後チャーリーさんが日本へ留学してきた時、久美子さんがホストファミリーをしたことで仲良くなりました。
クワンは母が日本国籍ではないため出場できなかった

WBC2023の日本代表選考にあたり、ヌートバー選手と同様に注目を浴びていたのがメジャーリーグ『ガーディアンス』所属のクワン選手です。
しかし、クワン選手はWBC出場資格に当てはまらないという理由で、日本代表に選出されませんでした。
そこでクワン選手のご両親を調べてみると、お父様は中国系、お母様が日系なのですがアメリカで生まれています。
そのため、WBC出場資格の「選手の親のどちらかが代表チームの国や地域で出生している」に該当せず、ヌートバー選手とは異なりクワン選手は日本代表になれなかったということです。
ヌートバー選手との違いは僅かなものにも関わらず、選考に漏れてしまったクワン選手は残念ですよね。
野球以外の日本代表資格はどうなってる?

WBCの出場資格が緩いと知り、他のスポーツの代表資格はどうなっているのか気になったので簡単に調べてみました!
外国人選手が多く日本代表で活躍しているスポーツとして、真っ先に思いつくのはラグビーですよね。

ラグビーは「選手本人が5年以上代表チームの国に居住している」ことが代表資格です。
国籍は関係ないのでWBCよりさらに垣根は低いですが、ラグビーの規定だとヌートバー選手のようにルーツはあっても本人がずっと海外に住んでいる場合は、代表になれないということですね!
一方で、サッカーやオリンピックに関しては、原則的に「選手本人の国籍の代表に所属する」ことになっています。

例えば、テニスの大坂なおみ選手も東京五輪に日本代表として出場するため、2019年に日本国籍を取得しました。
日本代表の出場資格はスポーツによって様々なんですね。
ヌートバーはこんなに頑張っているのに、この人ときたら、、、
ヌートバーの国籍や日本名はたっちゃん

ヌートバー選手はお母様が日本人のためWBC日本代表になれるとご紹介しましたが、ヌートバー選手自身の国籍はどうなっているのでしょうか?
ヌートバーの国籍
ヌートバーの国籍はアメリカです。
カリフォルニア州ロサンゼルス郡のエルセグンドという町で生まれ育ちました。

ヌートバーは生まれからアメリカなので、当然アメリカ国籍なんですね。
ヌートバーの日本名はたっちゃんで榎田達治(エノキダ タツジ)
ヌートバー選手は日本の名前も持っています。
ミドルネームは「テイラー・タツジ」、日本名は母親の旧姓を使い「榎田達治(エノキダ タツジ)」です。
たっちゃん
といわれています。

ヌートバー選手の日本名である「達治」は、祖父の名前から取っています。
ヌートバーのミドルネームが「テイラー・タツジ」で「タツジ」の部分はクミさんを称えたものだとし、「僕の民族性の大半はお母さん側に由来する」という
Full-Count
ヌートバー選手は、お母様のことはもちろん、自分と日本の繋がりをとても大切にしているんですね!
ヌートバーは日本語を話せない!

WBC日本代表初の日系人であるヌートバー選手ですが、日本語は話せるのでしょうか?
調べたところ、ヌートバー選手は日本語をほとんど話せないようです。
アメリカ生まれアメリカ育ちなので、仕方ないですよね。
しかし、WBCに選出された際は、オンライン面談で栗山監督に「よろしくお願いします」と勉強した日本語を披露しました。
今後、侍ジャパンのメンバーとどのようにコミュニケーションを取るのだろうと思ったのですが、ヌートバー選手の通訳は大谷翔平選手の通訳である水原一平さんが担当するそうです!

ヌートバー選手も安心ですね♪
ちなみに、WBC日本代表に選ばれたことで、現在お母様はヌートバー選手に「君が代」を教えています。

WBCの試合では、「君が代」を歌うヌートバー選手も見られそうですね!
ヌートバーは日本への愛が深いエピソード!

ヌートバー選手は日本語がほとんど話せないとご紹介しましたが、子供の頃から日本に対する愛は深かったようです。
ヌートバー選手の日本への愛が分かるエピソードを3つご紹介します。
- ヌートバーは日本食が大好き
- ヌートバーはマー君やハンカチ王子がいた高校全日本選抜をホストファミリーとして迎えた
- ヌートバーは10歳で「僕は日本代表だ」と発言している
ヌートバーは日本食が大好き
ヌートバー選手は、アメリカ生まれアメリカ育ちですが、子供の頃は毎年祖父母が住む埼玉県へ遊びに来ていたようですし、アメリカの家でも日本食をよく食べているそうです。

お母様が日本人のため、ご飯とお味噌汁といった食事をよく食べるそうですし、とんかつ、しゃぶしゃぶ、ラーメン、納豆なども好きなんだとか。
納豆が好きなのは、かなり日本人の心を持っていますよね!
ヌートバーはマー君やハンカチ王子がいた高校全日本選抜をホストファミリーとして迎えた

2006年、高校全日本選抜がアメリカ遠征を行った際、ヌートバー選手の一家はホストファミリーとして日本人選手たちを迎えました。
この高校全日本選抜には、田中将大選手や斎藤佑樹選手もいたんです!
ヌートバー選手は選手の皆さんと交流したり、親善試合でボールボーイを務めたりしました。

さらに、ヌートバー選手は、全日本高校選抜が帰国する際に選手全員のサインが入った帽子を貰っています。

ヌートバー選手の宝物になったそうですよ♪
ヌートバーは10歳で「僕は日本代表だ」と発言している

全日本高校選抜の選手たちとの出会いはヌートバー選手にとって貴重な経験になったようで、翌年10歳の頃、リトルリーグのオールスターチームに選ばれると、ヌートバー選手は自己紹介のVTRで「僕は日本代表だ」と宣言しました。
‘My name is Lars Nootbaar, No.21. And I’m a Japanese’.
僕の名前はラーズ・ヌートバーです。背番号は21。日本人です。
‘I’m representing my country for Japan’.
僕は日本を代表してここにいます。
Number Web – ナンバー
10歳で自分の中にある日本との繋がりを意識しているとは、凄いですよね!

ちなみに、自己紹介VTRでヌートバー選手は帽子のつばを曲げていますが、これは日本の高校生たちがやっていたのを真似していたんだとか。
アメリカの子供たちは帽子のつばを曲げないそうです!
以上のエピソードから分かるように、ヌートバー選手は、例え国籍が違ったとしても自分のルーツである日本をとても大切に思っているんですね!
ヌートバーの経歴まとめ

ヌートバー選手のこれまでの経歴をまとめました。
9歳 | 全日本高校選抜の選手たちと交流する |
10歳 | リトルリーグのオールスターチームに選出される |
高校生 | エルセグンド高校に入学し、野球とアメフトをプレーする |
大学生 | 南カリフォルニア大学へ進学 |
2018年 | MLBドラフト8巡目でセントルイス・カージナルスに指名され、プロ入りを果たす |
2021年 | メジャーデビュー |
2022年 | メジャー108試合に出場 |
ヌートバー選手は高校時代に野球とアメフトの二刀流として活躍し、大学進学時には両方の部活から声がかかったようです。
2020年はコロナの影響で公式戦に出場できませんでしたが、2021年以降どんどん成長を遂げている選手ですね!
ヌートバーの家族構成

ヌートバー選手には、ご両親と兄(ナイジェル)・姉(ニコル)がいます。ヌートバー選手は末っ子です。
お兄さんも、以前オリオールズ傘下の1Aでプレーをしていた経験があります。
ちなみに、お兄さんとお姉さんは日本で生まれ、ヌートバー選手のみアメリカで生まれました。
どうやらお母様が里帰り出産をしていたようです。
家族5人での写真も多く、仲の良さが伝わってきますよね。
まとめ

いかがでしたか。今回はヌートバー選手がなぜWBC日本代表になれるのかの理由から、ヌートバー選手と日本の繋がりをご紹介してきました。
ヌートバー選手はアメリカ国籍ではあるものの、お母様が日本人のため子供の頃から日本に対して敬意があったことが分かりました。
きっと、ヌートバー選手は日本代表として素晴らしいプレーをしてくれると思います!
WBCでは、ヌートバー選手の活躍に期待しましょう♪
